夢も暮らしも仕事も地域で創る、わくわく地域プロジェクト
新田さんが摂津市に引っ越してきたのは、2010年12月。地域ぐるみでママも楽しんで子育てできる環境はそこになく、物足りなさを感じていました。そんなとき、阪急摂津市駅前に摂津市立コミュニティプラザという公共施設ができ、「ここをうまく使えば、人が集まる場所になるはず」と直感。SNSを利用して「子連れ習い事ママサークル」を立ち上げ、特技やスキルのあるママ達が講座を開催すると大盛況に。会員数が増え、活動も活発化していたあるとき、「こんなイベントが摂津市にあったらいいね」というママの井戸端会議から生まれた企画が、「摂津まるごとマーケット」。冊子を制作することで企業から協賛金を募り、コミュニティプラザを借り切って2013年に実現した「摂津まるごとマーケット」は、地元の魅力を発信する市最大級イベントとして年々成長しています。
「摂津まるごとマーケット」への高まる期待とニーズ。それらに応えつつも、ボランティアに頼った運営の難しさを感じ始めていた新田さん。活動を安定して継続させるためにNPO法人を設立し、「コミュニティビジネス」という、ボランティアでも完全な営利目的でもない、その中間の位置づけで地域の課題解決に取り組みたいと考えました。そして、ローカルで地道な活動を多くの人に知ってもらおうとLEDにチャレンジ。人材の発掘や育成を行う「摂津まるごと大学」などを柱にしたNPO法人立ち上げ構想が評価されてファイナリストになり、2016年8月に「NPO法人摂津まるごとプロジェクト」を設立。LEDで得た人脈などを活かして、つぎつぎに新事業を立ち上げることができました。
新田さんのモチベーションの源は、ワクワク感。「未来に向かって少しずつ前進するプロセスが一番面白く、やりがいを感じます。高い壁、険しい道の向こうにゴールがあると思うとがんばれるんです」。ここ1年間、人材育成に注力したことで信頼できる仲間が集まったため、少しは肩の力が抜けそうだとのこと。「全プロジェクトが大きな輪になるにはまだ時間がかかりますが、地道に一歩ずつ、人との出会いを大切にしながら進んでいきたい」という新田さん。子どもたちが「摂津で育って良かった」と誇りに思えるまちづくりをめざします。
(先輩からのアドバイス)
世の中をよりよく変えるアイディアのひらめきは、女性が得意とするところ。その考えを実行に移すことは簡単ではありませんが、一枚のエントリーシートに書き留めた気持ちが、この先の自分を支えてくれるはずです。