川口 加奈

シェアサイクルで自転車問題とホームレス問題を解決

特定非営利活動法人Homedoor:大阪府

ホームレスの出口づくりから、誰もが何度でもやり直せる社会の実現をめざす

若いスタッフとおっちゃん達が談笑する声が聞こえるのは、大阪北区にあるHomedoorの拠点「ホット&ハウス」。ここでは、行き場のない人達がいつでも集え、社会的孤立をなくすための生活支援や、ホームレス状態から抜け出すための就労支援が受けられます。川口さんは14歳でホームレス問題に出会い、19歳でHomedoorを設立。「ホームレス状態を生み出さない日本の社会構造をつくる」というビジョンのもとNPO法人を立ち上げました。「夜回り・昼回り活動や、若年層向けに深夜営業店舗に広告を出すなどして、Homedoorに来所することを呼びかけています。
そして、それぞれのSOSを受け止め、一緒にいまと向き合いながら、路上脱出できる方法を提案しています」。

Homedoorでは数多くの支援メニューを用意しており、その一つが「HUBchari(ハブチャリ)」。ホームレス問題と自転車放置問題を一挙に解決するシェアサイクル事業で、ホームレスの人々の特技である自転車修理を活かせる場となり、再就職のきっかけになっています。また、住居提供の支援は、Homedoor設立時からの夢。現在、3名が入居できるシェアハウスがありますが、これだけでは十分ではありません。「シェルターという形の短期宿泊施設や、長期間滞在しながらつぎの仕事や住居を見つけるための宿泊施設を建設して運営することが、Homedoorがめざす支援の全体像を固めます」。そして、年々増加する相談者に対応するために専門相談員を増やし、適切な支援をすることも望まれています。非営利部門である相談員の人件費を補うために、ぜひ寄付をお願いしたいとのことです。

LEDに応募したのは、「ホームレス支援は自己責任論が根強く、企業様の支援が得にくい。LEDを通して企業様にホームレス問題を知っていただくきっかけになればと思いました」。ホームレスの人々への偏見をなくすための講演会やワークショップなども実施。多くの方にホームレス問題を知っていただき、継続的に関わっていただく関係性づくりを重要視しています。めざすのは、「誰もが何度でもやり直せる社会」。川口さんは、これからもホームレス支援に取り組み、挑戦と失敗が許容される社会づくりに挑みます。

(先輩からのアドバイス)
LEDは、女性起業家と企業をつなげるパイプ役になってくれるところだと思います。私はプレゼンの機会の提供や、「HUBchari」拠点の提案などをしていただきました。
企業とのコネクションづくりができるこのチャンスを、皆さんは積極的に活用してください。

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