森田 優希子

「パンを愛しすぎてつくってしまった」パンを使ったインテリア製品

モリタ製パン所:兵庫県

パンの魅力を再発見できる「ものづくり」を行って、世界に発信する

焼きたての香ばしい匂いや、口にしたときの食感を彷彿させる「パンプシェード」は、本物のパンからできたインテリアライト。芸術大学時代の森田さんは、アルバイト先のパン屋で「おいしくて、可愛くて、幸せな気持ちになる」パンの魅力にはまります。廃棄になるパンをもらって帰って食べるだけでなく、あらゆる角度から研究。そんなある日、「大学でパンをくり抜いていたら陽が差し込み、パンが光って見えたんです。そこで、ライトを入れたらどうなるんだろうと思って」。夢中で作業を続け、完成したのがパンプシェード第1号。大学卒業後は、メーカーで企画開発・デザインの仕事に携わる一方、週末にパンプシェードを開発する日々を送ります。そして2016年、「モリタ製パン所」と掲げたアトリエを神戸・元町に構えました。

LEDへの応募は、「ビジネスについて知りたかったから。ビジネスに精通する人たちと交流できるというイメージがありました」。ビジネスプラン発表では、経営者として自分の商品をプレゼンテーションするという機会を得ました。「展示会などもビジネスの場。スムーズに商品の説明ができるようになって商談もまとまりやすくなった」とのこと。また、メンターやサポート企業、ファイナリストとの交流から、自分の規模にあったビジネス展開の方法も学びました。何より、LEDをきっかけに大きく変化したことは、「経営者としての自覚が生まれ、多角的な目線で経営を考えられるようになった」ことだそうです。

「事業拡大を見据え、思い切ってアシスタントを4名雇ったら、製作がうまくまわるようになりました」という森田さん。商品の取扱店も増えて全国に広がり、東京の老舗ベーカリーとコラボした新作パンプシェードの発表などにもチャレンジしています。近い目標は、海外販路の拡大。「国内の展示会では、パンに親しみのある国はもちろん、アジア圏からもよい反応をいただいています。海外の展示会にもっていくが楽しみ」。大きな目標は、「パンの魅力を再発見できるようなものづくりをしていきたい。パン好きの人を増やせるようなことができたらいい」と、パンを愛してやまない森田さんです。

(先輩からのアドバイス)
ファイナリストになってどんな出会いがあるかは、お楽しみ。私は想像の範囲を超える、何かがあるような気がします。
ファイナリスト同士で情報交換をしたり、それぞれの規模にあったビジネス展開のアドバイスをいただけるチャンスです。

戻る