桂田 佳代子

地域と外国人観光客をつなげる「IoTおもてなしサービス」

京なかGOZAN:京都府

インターネットなしでスマホに店舗情報が配信できる誘客サービス

桂田さんが代表を務める「京なかGOZAN」は、京都の中小IT企業7社が協働してBtoBやBtoCサービスを提供する組織。大手IT企業の派遣か下請けという立場が多い中小IT企業の現状に危機感をもち、ユーザーの課題と課題をマッチングさせてITで解決し、地元に貢献することを目指しています。

桂田さんがこれから立ち上げるのは「KoI(こい)サービス」。Kyoto omotenashi for Inboundの略称で、発信器とスマートフォンを使い、「外国人観光客」と「こんなお客様に来てほしいと望む店舗」を結びつけるサービスです。仕組みは、発信器を店舗や宿泊施設、観光・交通要所などに設置して、アプリに事前入力された項目からターゲット層にあたる外国人観光客にクーポンや店舗PRなどを自動配信するもの。発信器の設置は無料で、情報配信できたら利用料を支払うシステムです。「例えば、いまならすぐに忍者体験ができますよ、というリアルな情報も発信できます。外国人観光客に特化しているのは、インターネットがつながらない環境でも興味のある店舗情報を得たい、発信したいという双方の課題を解決するため」。アプリ告知は宿泊施設6000室で行い、タクシーや空港リムジンバス会社にも告知の協力を依頼しています。

ビジネスプラン発表会では「妄想レベルのざっくりした内容」で、想いだけを伝えたという桂田さん。ファイナリストになった現在は、サポート企業様などから資金調達のフォロー、無料試験サービスの協力店や宿泊施設の紹介、今後の事業展開を見据えたアドバイスをいただいているとのこと。マーケティングや事業の実現に1年かかる計画が数ヵ月に短縮され、2018年春には収益サービスとしてスタートさせる予定です。「ファイナリストになって、私自身というより、周りの評価が変わったと思います。こんな賞をとっている人なんだということで、営業先でも話しやすくなった。地域密着型でこれまでやってきたことも評価してくださり、この事業に自信をもっていいんだと思えるようになりました」。まずは京都市内を中心から始める「KoI(こい)サービス」。つぎは関西、そして全国展開も視野に入れています。

(先輩からのアドバイス)
「迷ってる方には、まず応募することをおすすめします。ビジネスプランをエントリーシート1枚にまとめる作業のなかで事業の見直しができ、プレゼンで受けた質問に気づきがあるなど得るものが多い。強い想いを抱いてキラキラした、ほかの参加者からも刺激を受けますよ」

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